パブリシティ権って知ってますか?(モデル撮影について)
■フォトグラファー上原タカシ、一週間の仕事日記■
33号// 2021.1.28
「パブリシティ権って知ってますか?(モデル撮影について)」
このメールマガジンは、
カメラマン上原タカシの先週のお仕事の内容と雑感を、
一週間ごとにお届けしています。
このメールマガジンを読んでいただけると、
・これからカメラマンになろうと思っている人
・カメラマンに撮影業務を頼む人
・社内で撮影を内製化している人
などに、
なんとなくカメラマンってこんなことしている人なのね~
と、思ってもらえると思います。
と言っても守秘義務も多く、
イニシャルトークだらけだったり、
秘密だらけでなんにも書けないこともあるかと思いますが、
お付き合いいただけるとありがたいです。
★ 先週のお仕事
月曜日は、
同じ交流会のメンバーの弁理士さんの事務所で、
スタッフさんのポートレート撮影。
この事務所は商標の出願数が日本で2番目のすごい事務所なんですよ。
火曜日は、
リトミックのCD付きの絵本の撮影。
ほぼ複写だけで撮ること自体は大したことないのですが、
なんだかえらい騒ぎで大変な撮影です。
水曜日は、
トレーニング用品の撮影をハウススタジオで。
画期的な形の懸垂マシンで、クラウドファウンディングでサクセスした商品なんですよ。
最初に撮影した時に、
「クラウドファウンディングに出すんです」
とのことで、
もうコンサルするとかの段階ではなかったのですが、
お伺いすると仕込みの部分が甘かったので、
バズらせ方のヒントをお教えしたら、
クラウドファウンディング開始後すぐに目標金額達成!
ページもすごく嫌いに必要な要素を入れて作っていたので、
余計なお世話だったかなと思っていたら、
教えてもらった方法ですごく根回ししましたよ!
とのことでした。
木曜日は、
いつものポケモン撮影。
今週はぬいぐるみとマスコットがいっぱいで死にます
金曜日は、
ゴルフクラブの撮影
お〜、塗装の下にカーボン繊維が!
むっちゃ撮りにくいです。
でもサクサク終了。
もうゴルフクラブは得意ジャンルの一つに入れてもいいな。
土曜日は、
ポケモンの撮影。
延々続きます。
日曜日は、
ポケモンも撮らないといけないのだけれども、
ちょっと終わりが見えてきたので、
金曜日のゴルフクラブや、ちふれのインスタの戻ってきた部分のレタッチ。
あと、手話講座のテキストのレタッチも。
☆
このメルマガを書いている今、
明日撮影の予定のお客さんから電話が入りました。
普段電話での連絡がないので、
この時点で嫌な予感。
で、明日の撮影はコロナでリスケになってしまいました。
コロナのPCR検査ですが、
もしかしたらコロナ?とか、
濃厚接触者?
になってから実際に検査をして結果が出るまでに数日がかかるので、
「家族の立ち寄り先でコロナが出ました」みたいな感じだと、
間に何人も濃厚接触者?な人が挟まっていて、
撮影の時点では、第一報から微妙な日数が経っていて、
撮影をするかどうかの判断に非常に困ります。
仮に陽性と出ても、だいぶ日数も経っているし、その陽性の人とは直接接触がないので、
感染っている可能性もなさそうな感じ。
撮影しても大丈夫じゃないって言う感じなのですが、
やはり大事をとってそこはリスケになってしまいます。
陽性の人と間に何人の人が挟まっていたらOKなのか、
時間的な経過も考慮して、基準が欲しいです。
☆
最近ですね、モデルさんの使用について、
お問い合わせが続きました。
モデルさんを使っての撮影って、
非常にご要望多いんですけども、
撮影に至らないことの方が多いです。
何故かといいますと、
まず料金的な問題があるのですが、
もう一つ契約の問題があります。
契約というのは、
モデルさんの肖像権を使わせていただく契約で、
詳しくはパブリシティ権と言います。
ちょっとイメージして欲しいのですが、
あるモデルさんがDOCOMOの広告とAUの広告に同じ時期に出ていたらどう感じます?
企業の立場としても、消費者の立場としても微妙ですよね。
そんな感じで、モデルさんやタレントさんはある仕事を受けると、
他の仕事を失注するリスクがあるので、
写真の使用期限は長くても1年程度(更新可能)です。
(他にも事情はありますが、ここでは割愛)
こういった事情からモデルさんのギャラって結構高く、
カメラマンのギャラの何倍かが普通(あれ?僕だけ?)
なのですが、うちにご相談いただく方は、
撮影料のうちの一部ぐらいの感覚の方が多いです。
で、そのことを踏まえて。
最近起業したとか、副業でECサイトを作りたいというクライアントさんの潜在的ニーズは、
「安く、大量に撮影して、ずっと使いたい」
潜在的ニーズというか、それが普通と思っているということですね。
ネットの広告で、
「¥8000で撮り放題」とか
「1カット¥1000〜」
みたいな広告が沢山あるので、
「モデルさんは安く使える」とか
「撮った写真は使い放題」
と思ってしまっても仕方ないでしょう。
え、じゃあ、安いところはどうやっているの?
と思いますよね。
安くモデルさんをお願いする方法というのもやはりあって、
リスクをご承知いただいた上で、
ご紹介させていただくこともあります。
具体的にはモデルさんのマッチングサイトを使うのですが、
若いモデルさんがチャンスを掴めなくて頑張ってたりもしますし、
本当に制作費のないクライアントさんもいるので、
完全には否定しないですが・・・・
サイトの運営側でもうちょっとちゃんとしてあげて欲しいなと思います。
「ネットだと安く集客できますよ〜」
という触れ込みが多いのも、なんでも安く済んでしまうという勘違いを生んでしまっている原因でしょうね。
安く済むのは媒体費やDM代だけで、
中身のコンテンツは、
大手の広告を参考にしたら、大手と同じだけかかるのです。
☆
今回もお読みいただきましてありがとうございました。
来週もよろしくお願いします。
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上原タカシ写真事務所
☆どうしてこんなメルマガを書いているのか?
きっかは些細なことでした。
私はとあるビジネス交流会に所属しています。
お互いの仕事の内容を理解しあって、
知り合いにニーズのある人がいたらお仕事を紹介しあう会です。
例えば、税理士さんの顧問先にレストランがあって、
メニュー用に料理の写真を撮りたいんだけど、
なんて話があったらカメラマンとして僕を紹介してくれる感じです。
なので、カメラマンの仕事ってビジネスとしては複雑なものじゃないし、
すっかり自分の仕事のことはメンバー人なが理解してくれているものだと思っていて、
プレゼンの機会があったら、色の再現がどうとか、難しい話ばかりしてしまっていました。
でも、メンバーの一人が私のスタジオを訪れた際、
「これって何に使うの?」
「こういうクライアントの仕事ってどうやってくるの?」
と、なんでそんなこと聞くの?
という質問をいっぱいしてくれました。
自分のビジネスは自分が一番よくわかっていない。
よく言われることですが、こういう事かと実感しました。
思い返せば、自分がこの業界に入った時、
スタジオの大きくて重たい鉄扉一枚からワクワクした記憶があります。
自分ではもう当たり前になってしまったことでも、
何かの参考にしてもらったり、これから志す人にワクワクしてもらったり、
また、自分が初心に帰るために。
拙い内容ですが記していこうと思います。