撮影料は、カット計算?時間計算? 僕はグロス計算が神だと思います。

■フォトグラファー上原タカシ、一週間の仕事日記■ 
8号// 2020.7.13

「撮影料は、カット計算?時間計算? 僕はグロス計算が神だと思います。」

このメールマガジンは、
カメラマン上原タカシの先週のお仕事の内容と雑感を、
一週間ごとにお届けしています。

このメールマガジンを読んでいただけると、

・これからカメラマンになろうと思っている人
・カメラマンに撮影業務を頼む人
・社内で撮影を内製化している人

などに、
なんとなくカメラマンってこんなことしている人なのね~
と、思ってもらえると思います。

と言っても守秘義務も多く、
イニシャルトークだらけだったり、
秘密だらけでなんにも書けないこともあるかと思いますが、
お付き合いいただけるとありがたいです。

★ 先週のお仕事

月曜日は、
某劇団の女優さんの撮影。
もともとスタジオが暗い上に天気も悪く、
だいぶ苦労しました。
あとはいつものキャラクターグッズの撮影など。

火曜日は、
化粧品のインスタグラム撮影。
オープン記念ということで激安スタジオ。
安いし、こういう所もありかもね。

水曜日は、
交流会のメンバーと作っているラジオっぽい番組の放送。
コロナの時に始めたので、ZOOMで生配信しながら収録。
急にMACから音声が出なくなり大慌て。
あとはいつものキャラクターグッズの撮影など。

木曜日は、
マニキュアのインスタグラム撮影。
しっかり準備してきてくれるので、
いくつかの難所をこなせば、
あとは楽にいい写真が撮れます。

金曜日は
あるキャラクターの●周年記念グッズの撮影
このキャラクターそんなに古いキャラクターなのね。

土曜日、日曜日は、
在宅で、ホームページやランディングページの調整、
経理といろいろインプット。

コロナ前は本当に休みがなかったので、
土日に家にいるだけで、
ものすごく暇な人の気分だったけど、
こうやって振り返ってみると、
平日は結構働いてますね。
売り上げはイマイチだけど。
その辺の気分もあるのかな?

ホームページを見た方からお問い合わせをいただきました。

ハンドメイドアクセサリーの撮影のお問い合わせでしたが、
撮影のご発注があるかどうかは未だ不明。

その際、主なお問い合わせの内容は撮影料のこと。
他のカメラマンにも問い合わせをされているそうでしたが、
カメラマンによって撮影料の基準が
「カットあたりの料金」だったり、
「時間あたりの料金」だったり、
バラバラで分かりにくいとのお困りごとを伺いました。

このあたりの撮影料金のお話はよく聞くのですが、
それもそのはずです。

なぜかっていうと、
つい最近まで、カメラマンのギャラって、
時間計算でもカット計算でもなかったからです。

なかったまで言い切ると若干言い過ぎではありますが、
近いところでは、
拘束日数だったり、
雑誌だったらぺージ計算とか。

でも、それ以上に撮影の内容によるので、
クライアントの方で撮影料の規定が決まっている以外では、
初めましてのお客さんに

「私は一日いくらです」

とか

「1カットいくらでやってます」

なんてことは、まずあり得なかったです。

じゃあどうやっていたかっていうと、
日数や、カット数も考慮するのですが、
日数や、カット数は過去の似た仕事との比較の目安ぐらいで、
結局はグロスでの計算なのです。

業界の人だと初めましての人でも、
なんとなく相場観のわかっている人ので、
これが一番良かったと思います。

グロスと拘束日数はちょっと近い感じかな?
実は大きく違うところがあるのですが・・・

撮影内容って当初の予定から変わったり、
当日対応しないといけないトラブルが起こったりするので、
カット計算だと、いろいろ不都合がある。
グロスだと、ある程度の変更のあることは織り込み済みなので、
いろいろみんなハッピーなのです。

それがなぜ、カット計算や時間計算が出てきたのかっていうと、
ECサイトの運営者など、
これまで撮影を発注する立場でなかった人たちから撮影の依頼がが出るようになったのです。

そうすると、
これまでの阿吽の呼吸で決まっていた、
グロス料金というわけにいかなくなった。
なので比較しやすいように、
カット料金や時間料金が出てきた。
比較しやすいから、比較されて、どんどん撮影料が下がる。
感覚的にはこの5年ぐらいで半分近く下がったんじゃないかな。
負のスパイラルです。

でもまあ、
ある程度以下の金額で、
まともな撮影ができるわけないので、
「見積もりをとったら結構な金額になった」
ような話もよく聞きます。

なんだか愚痴っぽくなってきましたね。
撮影料のこと、どこかでちゃんと書きたいのですが、
クライアントに対する愚痴っぽくなったり、
同業者を批判することになったり、
売り込みっぽくなってしまうので、
出し方が難しいですね。

今回もお読みいただきましてありがとうございました。
来週もよろしくお願いします。

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☆どうしてこんなメルマガを書いているのか?

きっかは些細なことでした。
私はとあるビジネス交流会に所属しています。
お互いの仕事の内容を理解しあって、
知り合いにニーズのある人がいたらお仕事を紹介しあう会です。
例えば、税理士さんの顧問先にレストランがあって、
メニュー用に料理の写真を撮りたいんだけど、
なんて話があったらカメラマンとして僕を紹介してくれる感じです。

なので、カメラマンの仕事ってビジネスとしては複雑なものじゃないし、
すっかり自分の仕事のことはメンバー人なが理解してくれているものだと思っていて、
プレゼンの機会があったら、色の再現がどうとか、難しい話ばかりしてしまっていました。
でも、メンバーの一人が私のスタジオを訪れた際、
「これって何に使うの?」
「こういうクライアントの仕事ってどうやってくるの?」
と、なんでそんなこと聞くの?
という質問をいっぱいしてくれました。
自分のビジネスは自分が一番よくわかっていない。
よく言われることですが、こういう事かと実感しました。

思い返せば、自分がこの業界に入った時、
スタジオの大きくて重たい鉄扉一枚からワクワクした記憶があります。
自分ではもう当たり前になってしまったことでも、
何かの参考にしてもらったり、これから志す人にワクワクしてもらったり、
また、自分が初心に帰るために。
拙い内容ですが記していこうと思います。