「スタッフが変わるとビジュアルも変わる、ある現場で考えました。」

■フォトグラファー上原タカシ、一週間の仕事日記■ 
006号// 2020.6.22

「スタッフが変わるとビジュアルも変わる、ある現場で考えました。」

このメールマガジンは一週間ごとに
カメラマン上原タカシの先週のお仕事の内容と雑感を、
お届けしています。

このメールマガジンを読んでいただけると、

・これからカメラマンになろうと思っている人
・カメラマンに撮影業務をアサインする立場の人
・社内で撮影を内製化している人

などに、
なんとなくカメラマンってこんなことしている人なのね~
と、思ってもらえると思います。

と言っても守秘義務も多く、
イニシャルトークだらけだったり、
秘密だらけでなんにも書けないこともあるかと思いますが、
お付き合いいただけるとありがたいです。


★ 先週のお仕事

月曜日は、
お預かりのキャラクターグッズの商品撮影
 
火曜日は、
化粧品のインスタ撮影。夏らしくいい感じの写真が撮れました。
 
水曜日は、
交流会のいろいろで1日が終わる。偉いバレーの先生の話が面白い。
 
木曜日は、
ドイツのハンカチメーカーの、店頭ポスターのイメージ撮影。
新しくデザイナーさんがディレクションに入ってから2回目、
可愛い写真になりました。
 
金曜日は、
前回、商品が揃っておらず撮影できなかった美容オイルの撮影。
LP用に色々素材を撮り溜めます。
 
土曜日は、
車検の引き取り。13年、10万キロを超えました。
それから経理などなど
 
日曜日は、
このメルマガ書いたり。久しぶりに昼寝でもしようかな。
 
金曜日から、移動の制限などがなくなりましたね。
飲食店も制限なしとのことで、
四谷のシンミチ通りも人が戻ってきていましたが、
人出は8割程度かな?
それでも僕の思っていたよりも多い人出でした。
客席を減らしたりしないといけないので、
以前よりもお客さんを入れられないはずですが、
自粛の反動もあるでしょうね。
日光の方の旅館はインバウンドもなしに満室だということで、
なかなか旅行に行けなかった日本人が、
いい機会だからと旅行に行ったのかな?
 
あとは劇場関係ですね、
いつもお世話になっている劇団は、
しばらくお稽古もできていなかったので、
8月ごろから再開のようですが、
今までのようには客を入れられないので、
経営は大変ですね。
とうとうクラウドファウンディングも実施していました。
 
撮影も一旦、忙しさもひと段落。



季節ごとに撮影している、ドイツのハンカチメーカーの店頭コルトンの撮影。
コルトンというと聴き馴染みがないと思いますが、
ポスターやサイネージなどをイメージしてもらえればいいと思います。
熊のリーベくんがマスコットキャラクターですが、
バンビちゃんやお相撲さんやお寿司など
多彩なキャラクターの商品が登場します。
ただ、アイテムが多彩なので、
ごちゃごちゃしないようにうまくまとめられるかがポイントです。
 
さて、新しくデザイナーさんがディレクションに入ってから2回目の撮影。
いい感じなので今後しばらくはこの感じで継続になりそうです。
 
前回は特注の巨大バースデーケーキを使っての撮影。」
今回は、ペーパークラフトで海中の世界を再現。
こうしたいな〜というビジュアルを考えてくれて、
イメージに合わせて必要なものを作ってくれます。
 
それまではスタイリストさんが入っていたのですが、
どういうビジュアルにしたいかは、
既存のいろんな広告や写真を参考に構築して、
それに合わせて小物を集めてくる感じでした。
 
全く違うプロセスで、出来るビジュアルも全然違います。
デザイナーさん型の撮影は、作り込まれてシッカリした画面になります。
精緻な撮影ラフ(カンプと言います)に合わせて、
力技の撮影現場、完成度の高いビジュアルが完成します。
スタイリストさん型は、現場対応のことが多く、ふんわりした感じ。
ザックリしたラフや、イメージの参考写真をもとに、
大喜利のような撮影現場です。
ハプニングが多く予定外の面白いものができてしまう事もありますが、
どこかで見たような感じになったり、まあこんなもんだね、と、なってしまう事も。
 
どちらがいいということではなく、
ブランドのイメージやクライアントさんの承認過程によります。
どちらでもいいブランドの時は、
1年ごとなど定期的に製作方法を変えて、
イメージに変化をつける考え方もあります。
 
本来は、両方いてくれるのがいいのですが、
今回の店頭でのコルトンのように、
製作部数の少ないものは予算も限られているので、
なかなか難しいですね。
 
トレンドを掴みつつも自分の中の作家性を合わせて発信するデザイナーさん、
新商品や街の人の動向からトレンドをキャッチして再構成するスタイリストさん、
カメラマンの方で両方のクリエイティブを理解してコントロールできる資質が求められますね。


loverly コルトン
loverly by Feiler コルトン




今回もお読みいただきましてありがとうございました。
来週もよろしくお願いします。

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☆どうしてこんなメルマガを書いているのか?

きっかは些細なことでした。
私はとあるビジネス交流会に所属しています。
お互いの仕事の内容を理解しあって、
知り合いにニーズのある人がいたらお仕事を紹介しあう会です。
例えば、税理士さんの顧問先にレストランがあって、
メニュー用に料理の写真を撮りたいんだけど、
なんて話があったらカメラマンとして僕を紹介してくれる感じです。

なので、カメラマンの仕事ってビジネスとしては複雑なものじゃないし、
すっかり自分の仕事のことはメンバー人なが理解してくれているものだと思っていて、
プレゼンの機会があったら、色の再現がどうとか、難しい話ばかりしてしまっていました。
でも、メンバーの一人が私のスタジオを訪れた際、
「これって何に使うの?」
「こういうクライアントの仕事ってどうやってくるの?」
と、なんでそんなこと聞くの?
という質問をいっぱいしてくれました。
自分のビジネスは自分が一番よくわかっていない。
よく言われることですが、こういう事かと実感しました。

思い返せば、自分がこの業界に入った時、
スタジオの大きくて重たい鉄扉一枚からワクワクした記憶があります。
自分ではもう当たり前になってしまったことでも、
何かの参考にしてもらったり、これから志す人にワクワクしてもらったり、
また、自分が初心に帰るために。
拙い内容ですが記していこうと思います。