「EC用の撮影指導をしてきました」

■カメラマンの日常■ 
4号// 2020.6.11

「EC用の撮影指導をしてきました」

このメールマガジンは
カメラマン上原タカシのお仕事の内容と雑感を、
一週間ごとにお届けしています。

このメールマガジンを読んでいただけると、

・これからカメラマンになろうと思っている人
・カメラマンではないのだけれども社内で撮影業務を割り振られた人
・新しく発注者になる人

などに、
なんとなくカメラマンってこんなことしている人なのね~
と、思ってもらえると思います。

と言っても守秘義務も多く、
イニシャルトークだらけだったり、
秘密だらけでなんにも書けないこともあるかと思いますが、
お付き合いいただけるとありがたいです。


★ 先週のお仕事

月曜日は、前日にリスケになってしまったため、事務所で一人、ぬいぐるみなどの撮影

火曜日は、アパレルECの会社で内製している写真撮影の品質向上のためのコンサル

水曜日は、一日中交流会の日。打ち合わせやら定例会やらで1日が終わる。すべてZOOM

木曜日は、事務所で一人、ぬいぐるみなどの撮影

金曜日は、結婚式の披露宴のテーブルに添える紙製品の撮影、その後、昨日のぬいぐるみの撮影の続き

土曜日は、朝から新しい美容液のLP用撮影。その後深夜までレタッチや昨日のぬいぐるみの撮影の続き

日曜日は、明日からの北海道出張撮影に備え、北海道に移動。移動だけのはずが、天気が抜群にいいので、急遽、北海道の自然を撮影。


珍しく出張で北海道まで来ております。

でも撮影のメインは週明けなので、

詳細は次回で。

コロナ明けで止まっていた撮影が一気に動き出しました。

スケジュールが合わずお断りしたクライアントからも、

カメラマンがみんな忙しそうで捕まらないと、お嘆きの声が。

クラウドソーシングのサイトを見ると、

発注はいつもよりも沢山あるけど提案が伸びないサイトと、

そもそも発注が非常に少ないサイトとにバラツキがあります。

なんなんでしょうね。

ただ忙しいのは一時的で、

この波が引いた時に、

これまでよりも撮影の需要が増えているか減っているか。

景気は確実に冷え込むはずなので、

景気要因で増えていることはまず考えられないのですが、

これまで続いていたECへのシフトによる写真の需要増、

これはコロナ前よりも加速すると思うので、

仕事の重心がWEB系の人は忙しくなるでしょうね。

さて、ECといえば先週はEC用の撮影を内製化している会社に、

撮影方法のコンサルティングをしてきました。

2年ほど前にもお手伝いさせていただいた会社なのですが、

当時の担当者がもういらっしゃらないこととでしたので、

ほぼ始めからやり直し。

今回は前回よりも要求されている水準が上がっていて、

某通販サイトからヒゲの一本一本まで見えるようにとの要請があったようです。

今のモール系のサイトは拡大表示機能がついているものが多く、

ディテール写真をあまり撮らず、メインの写真を拡大表示で見せることで、

ディテール写真の代わりをかなりの部分でしているようです。

しかし、全身カットや半身カットで、ヒゲの一本一本まではっきり解像させるというのは、

ポスターが作れるような解像度で、

カメラも照明機材もそれなりに高価なものが必要になってきます。

また、こんな感じで撮りたいですと見せていただいた参考資料が、
他の業務も行いながら時々撮影するような感じで撮れるレベルではなく・・・

この段階で、問題点は主に3つ

・機材のスペック

・ワークフロー

・ライティング

に集約できそうです。

多分他でも撮影を内製化している会社さんは多くあると思うのですが、

同じ問題を抱えているところが多いかと思います。

機材面は、必要な投資なので機材を購入することは構わないということでしたので、

何台かレンタルでテストしてみて、

要件に合い使いやすいものをご購入いただくことになりました。

ワークフローは、これまで露出以外のホワイトバランスや色調をオートで撮影して、

一点一点フォトショップで調整していたものを、

今後は全部マニュアルにしてもらいました。

ホワイトバランスを合わせてデモ撮影しただけで、

「綺麗」のお言葉をいただいたので、

ホワイトバランスが合っている事と、綺麗かどうかは本来関係ないはずですが、

ニュートラルな色調かどうかということは、

腑に落ちるというか、潜在的に求めているものに会うのでしょうか、

これだとレタッチがいらないね、とのことで、

これだけも生産性は一気に上がるはずです。

さて、肝心のライティングですが、

・ご希望のもの(難易度高い)

・某モールから提案されたもの(難易度低い)

・不都合を生じているお悩みを解決できるもの(簡単)

の3つをデモさせて頂きました。

どういう風にしたいかというのを決める人と、実際に撮る人が別の為、

なかなか擦り合わせが大変ですが、

結局、ご希望のもの(難易度高い)で、今後も続けて行くそうです。

スペースの問題もあり、プロでもどうかな?というかむしろ避ける状況です。

一応、形になるライティングを組んで、調整の仕方もお伝えしてきましたが、

なかなか微妙な為、維持するのは難しいかもしれません・・・

一点物の撮影や、季節ごとのカタログなど再現の必要のないものだと状況は変わるのですが、

できる事とやりたいことの切り分け、

生産性やどのレベルまで落とし込めるかなど、

全体を把握してコントロールできるディレクターがいないと、

大量の撮影はなかなか難しそうに感じました。

次回機会があれば、そのあたりのお話ができればいいかな。


今回もお読みいただきましてありがとうございました。
来週もよろしくお願いします。

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